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祐巳さんと可南子ちゃん
「お月見とお団子」
 
 
 
 誰からともなく、お月見の話が出た。
 場所は薔薇の館。
 夜まで学校にいるというワクワクドキドキな展開。
 時期は少しずれているのだけれども、それはそれ。きれいな夜空にお月様を眺めるのに、多少の時期のずれがなんだというのか。
 多少ずれたって月は月、きれいなものはきれい。
 という由乃さんの強硬な意見に逆らう者がいるわけもなく。
 逆に、ずれたと言っても秋は秋、却って風流かも知れない、という意見まで出る始末。
 もっとも、お月見以上に興味があるのは、皆で夜まで一緒にいると言うこと。
 ちょっとしたプチ合宿?
 夜の学校にみんなで居残っているというのは、なんとなくわくわくする。
 そのワクワクする気持ちはなんだか皆同じなようで。ふと気付くと、結構なメンバーが揃うことになってしまった。
 言い出した由乃さんと、それにつきあう令さま。大袈裟に溜息をついて肩をすくめながらも、ワクワクしている顔が隠せない瞳子ちゃん。
 そして、祐巳と祥子さまと可南子。
「お月見なんてロマンティックね」
「そうだね、志摩子さん」
 といつものようにラブラブな波動を満開に撒き散らしている志摩子さんと乃梨子ちゃん。
「月の写真は結構難しいわよ」
「はい、頑張って覚えます。でも、夜の月って荘厳で素敵ですね」
「そうね、月をバックに美少女の写真…胸が疼く、もとい、腕が鳴るわ」
「はい、私、蔦子さまならもう一度モデルになっても」
「蔦子さまって言ったの? 笙子ちゃん?」
「あ、ごめんなさい……あの…お姉さま」
「そうよ、笙子」
 白薔薇姉妹に負けないオーラを撒き散らす蔦子さんと笙子ちゃん。
 どうせなら記念写真ぐらい撮ってもらわなきゃ、という(これも)由乃さんの意見で二人はやや強引に引っ張られた。
「ごめんね、蔦子さん。なんだか強引に誘ったみたいで」
 祐巳の言葉を、蔦子さんは手を振って打ち消しながら笑う。
「何言ってるのよ。本当に嫌なら由乃さんに言われようが紅薔薇さまに言われようが断固断るわよ。だから気にしないの」
 第一、と握り拳を振り上げながら、蔦子さんは断固と言う。
「月明かりのもと、優雅にお月見を楽しむ女子高生。これを私が撮らずして、一体どうしろというの? いえ、これを撮らずして武嶋蔦子の名は名乗れないわ」
 蔦子さんの名前は世襲制か何かですか、と聞きたいのを堪えて祐巳は複雑に微笑んだ。
 はたして蔦子さんが望むような優雅なものになるかどうか。
 なにしろ発案者は今やリリアンの暴走機関車、島津由乃さんだ。
 とはいっても、さすがに月見という行事に暴走要素を見いだすのは難しい。さすがの由乃さんも、お月見で無茶をすることはできないだろうと祐巳は思っていた。
 
 勿論、祐巳の見通しは甘かったのだけれども。
 
 月見と言えばお団子よね。
 多分、志摩子さんには他意はなかったと思う。ただ、話の接ぎ穂でそう言っただけ。
 けれども、その言葉に食いついたのは由乃さん。
「そうよ。さすが志摩子さん。いいこと言うわ。お月見と言えばお団子よ。お団子がなくちゃ始まらないわ」
「けれども、時期は過ぎてますから、お団子のダンゴを探すのは大変だと思いますけれど」
「うーん……お月見用のお団子ってどんなの?」
 由乃さんの問いに答える乃梨子ちゃん。
「あれ?」
 乃梨子ちゃんの答えに祐巳は首を傾げた。
「ウチは違うよ?」
「そうなんですか? お雑煮みたいに、地方によって違うんでしょうか?」
「地方と言っても、乃梨子の実家はそんなに離れていなかったでしょう?」
 志摩子さんも首を傾げる。
「お団子なんて、どれも一緒ではないの?」
 興味のないことには冷たい祥子さま。お月見自体には興味を引かれたようなのだけれど、お団子はどうでもいいらしい。
「そうですね……。一口にお団子と言っても色々な種類のものがありますよ。ケーキだって、ケーキという名前が同じでも色々な種類がありますよね。それと同じですから」
 志摩子さんの説明に、それもそうよね、とあっさり頷く祥子さま。
「言われてみればその通りよね。確かに志摩子の言うとおりだわ。でもそれじゃあ、お月見のお団子というのはどんなものなの?」
 再び話が元に戻る。
「特にこれだって言う形はないんじゃないかな。乃梨子ちゃんがさっき言ったみたいに地方によって…もしかすると各家庭によって違うのかも知れないからね」
 令さまの言葉に全員が納得した。
「それじゃあ、どんなお団子でも構わない、ということで」
 由乃さんが突然締め始める。
「お姉さま、ヨロシクね」
「ヨロシクって?」
「美味しいお団子、楽しみにしてるから」
「…え? 私が作るの?」
「令ちゃ…お姉さま、お菓子作るの上手だし」
「それは…」
 にこにこと微笑みながら、由乃さんは令さまの正面に立つ。
 そして両手でお願いのポーズ。首を傾げて、
「私、お姉さまの作ったお団子が食べたいの」
「任せてよ、由乃」
 令さま撃沈。さすが由乃さん。令さまの弱いポイントを確実に見抜いている。
「だけど、そんなにたくさんは作れないよ?」
「令さまの腕には及びませんけれど、数ならば瞳子が揃えて見せますわ、ご安心下さい、お姉さま」
「さすが瞳子、頼りになるわね」
「はい、お姉さま」
「由乃、とびっきりの美味しいお団子作るからね」
 令さまが言うと、
「お姉さま。黄薔薇のつぼみとして恥ずかしくないほどの振る舞える量を用意しますわ!」
 いきり立つ瞳子ちゃん。
「黄薔薇さまと瞳子ちゃんは、由乃さんを挟むと対抗心剥き出しになっちゃうから…」
「本当に困ったものね。令ももう少し大人にならないと」
 祥子さまはそう言いながら、祐巳の肩に手を置く。
「私は、祐巳がそこにいてくれたらそれで満足だけれど」
 祐巳が祥子さまを見上げようとした瞬間、身体が横に引かれる。
 肩の上から祥子さまの手の圧力が消えて、替わりに別の手が。
「本当に。瞳子さんにも困ったものですわ。お姉さまだけでなく、そのお姉さまとも仲良くしないといけないのに」
 可南子が祐巳の肩に手を置いていた。
「ねえ、お姉さま」
「あの…お姉さま、可南子?」
「可南子ちゃんの言うとおりだわ」
「そうですね、紅薔薇さま」
 二人が何か言うたびに、間に挟まれている祐巳の身体は右へ左へと引っ張られる。
「あの、もしもし…?」
 そんな紅薔薇、黄薔薇姉妹を、白薔薇姉妹はニコニコと見つめているだけだった。
 
 
 お月見決行当日、令さまは荷物を抱えてくると、始業時間前に薔薇の館にそれを置いていった。
 きっとあれがお団子なんだろう。遠くからその姿を見かけていた祐巳が放課後、薔薇の館へ行ってみると……
「ごきげんよう」
 可南子がおはぎを食べていた。
「あれ? 可南子、どうして?」
「お姉さまもお一つどうですか?」
「お一つって…そのおはぎ…」
「瞳子さんから戴きましたの。数が多いみたいですし、他の人ならいざ知らず、お姉さまが食べたのなら瞳子さんも文句はないと思いますけど」
「え、瞳子ちゃんの?」
「はい。なんでも、由乃さまに言われて用意したらしいのですけれど、お家の方が間違えて、数を多く作りすぎたそうで」
「おはぎを?」
「はい。おはぎですけれど…」
「…今日お月見だよね?」
「え。もしかしてこれ、お月見団子なんですか?」
「どう見てもおはぎだよね」
 実は地方によってはおはぎでお月見をするところもあるので、これは間違いではないのだけれど、祐巳も可南子もそんなことは知らなかった。
「令さまの作ったお団子ならちゃんとこちらに」
 重箱を開けてみせる可南子。
「用意してありますわ」
「ああ、こっちはちゃんとお団子なんだね」
「ええ」
 可南子の開けた重箱をじっと見つめる祐巳。
 
 諸君、祐巳は甘い物が好きだ。
 諸君、祐巳は甘い物が好きだ。
 諸君、祐巳は甘い物が大好きだ。
 
 とてもとても美味しそうな月見団子。さすがに令さまお手製。和菓子であろうと令さまの腕は変わらないらしい。
 つい一口パクリ。
「あ、お姉さま」
「…あ、あんまり美味しそうだったからつい…」
 可南子が団子を一つとった。
「では、私も一蓮托生です」
 パクリ
「可南子?」
「つまみ食いの罪をお姉さま一人に被せるわけにはいきません。見ていた私も同罪です。ですから一つを戴きました」
「同罪って…そこまで深刻にならなくても」
「このお団子の責任者は、あの島津由乃さまですよ? つまみ食いなんて知られたらどんなイチャモンを着けられるかわかったものではありませんわ」
 あまりの可南子の物言いに祐巳は苦笑してしまった。
「いや、さすがの由乃さんもそこまでは…」
「由乃さんならあり得てもいいかも」
 声のしたほうに二人が振り向くと、蔦子さんと笙子ちゃんが扉を開けていた。
「ごきげんよう。写真の撮り位置をきちんと確認しておこうと思って早めに来たのだけれど…」
 蔦子さんはキョロキョロと室内を見渡す。
「まだ他の人は来ていなかったみたいね。早すぎたかしら」
「特に用事がないのなら、待っていればいいわ」
 そうね、と言いながら入ってくる二人。
 可南子がお茶の用意を始めると、笙子ちゃんが手伝い始める。
「お姉さまの分は私が用意しますし、自分の分は自分で入れます」
「笙子ちゃんはお客さんなのよ?」
「少なくとも、お姉さまのお茶は私が煎れたいから…自分のはついでです」
 えへっ、と笑う笙子ちゃん。なぜかやや赤面して可南子は席に戻った。
「それじゃあ、せめて…」
 カップを二つ、お盆に載せて戻ってきた笙子ちゃんに、可南子は手をさしのべる。
「お茶請けにどうかしら」
 笙子ちゃんの唇に押しつけられるお団子。
 蔦子さんが「あ」と言って腰を浮かす前に、笙子ちゃんはパクリと食べてしまう。
「可南子ちゃん。なにするのよ」
 変なことをするな。というよりも、なんで貴方がするの、私にさせなさい。とでも言いたげな様子の蔦子さん。
「あ、おいしい」
 もぐりもぐりと笙子ちゃんの顎が動く。
「このお団子、美味しいですね」
 重箱に手を伸ばして一つをひょいとつかみ取る。
「蔦子さまもお一つ。あーんして下さい」
「え? ちょ、ちょっと、笙子」
「あーんして下さい」
「いや、あの…」
 あの蔦子さんが狼狽して真っ赤になっている。
「どうしたんですか、蔦子さま。いつも部室ではこうしてるじゃないですか」
 可南子がたまらず俯いたまま肩を振るわせている。
 祐巳もどうしていいのかわからず、空のカップを口に付けてお茶を飲む振り。
「あのね、笙子…その…人前ではこういう事は…」
 笙子は首を傾げた。
 悪戯心を起こした祐巳は、可南子に目配せする。
 可南子はすぐに頷くと、団子を一つ手にとって、祐巳の目の前に持っていく。
「はい、祐巳さま、あーん」
 パクリ。
「ちょ、ちょっと、祐巳さん?」
 慌てる蔦子さんの鼻先に、笙子ちゃんの持った団子が突きつけられる。
「ほら、蔦子さま。祐巳さまと可南子さんだってやっているから、恥ずかしくないですよ」
「笙子ちゃん、あのね…ちょっと、祐巳さん、可南子ちゃん、刺激しないでよっ!」
「では…」
 妖しく笑った可南子は、団子を笙子ちゃんの口元へ。
「笙子さん、あーん」
「あーん」
 パクリ。
「可南子ちゃん、貴方一度ならず二度までも…!」
 声をほんの少し荒げた蔦子さんだけれども、笙子ちゃんの行動に目を丸くする。
「お返しですよ、可南子さん。はい、あーん」
「あーん」
 笙子ちゃんの差し出した団子をパクリ、と食べる可南子。
「二人とも、仲間はずれにしないでよ」
 二人の間に顔を差し入れる祐巳。
「じゃあ祐巳さまも、あーん」
 笙子ちゃんの団子をパクリ。
「あ、祐巳さま、指までくわえちゃ駄目です」
「ごめんね、笙子ちゃん。痛くなかった?」
「はい。それは大丈夫ですけれど」
「じゃあ笙子ちゃんにも、あーん」
「あーん」
 目を白黒させて三人の乱交、もとい、団交(団子交換の略)を眺めている蔦子さん。
「な、な、な、な…」
 いつも冷静、テキパキと物事を進める蔦子さんがここまで絶句しているのはとっても珍しい。
「あーん」
「あーん」
「あーん」
 三人が輪になって…笙子ちゃんは可南子に、可南子は祐巳に、祐巳は笙子ちゃんに…団子を食べさせている。
「なにやってるのよ、三人ともっ!」
 ピタリ、と笙子ちゃんの手が止まる。
 両手を前に出して、しっかり握って、瞳をうるうるとさせて、
「だって、お姉さまが笙子の団子を食べてくれないのが悪いんですっ」
「そ、それは…」
「なんて可哀想なんでしょう、笙子さん。ねえ、お姉さま」
「本当ね、可南子。せっかくの好意を無にするなんて、これは遊園地デートを延期するより酷いわ」
 あんた達…と唸りたいのを堪えるように二人を睨みつけてくる蔦子さん。祐巳はえへへと笑って誤魔化す。
「…わかったわよ。団子、食べるわよ」
「…いいです」
 え? と予想外の言葉に目を丸くする蔦子さん。
 笙子ちゃんは、ぷいとよそを向いてしまっている。
「無理に食べてもらわなくてもいいです。お姉さまは、恥ずかしいんでしょう?」
 拗ねてしまっていた。
「…えーと、笙子?」
「なんですか、お姉さま」
「お団子が食べたいんだけれど」
「どうぞ、ご自分の手で取ってください。お姉さまは笙子があーんすると恥ずかしいんでしょう?」
「そうじゃなくて…」
「いいんです。もう」
「お団子が食べたいんだけど」
「ですから、ご自分で」
「笙子に食べさせて欲しいの!」
 唐突、と言うほどでもないのだろうけどやっぱりストレートな物言いに、今度は笙子ちゃんが目を白黒させている。
「お、お姉さま?」
「あー、もう、笙子、言わせたからには責任とりなさいよ! 貴方が、手ずから、私に、そのお団子を食べさせるの! いいわねっ!」
 矢継ぎ早に決めつける蔦子さんの言葉に、慌てて笙子ちゃんが団子を手にとって差し出した。
「は、ハイ、お姉さま」
「あーんは?」
「はい。お姉さま、あーんして下さい」
「あーん」
 ガブリ
 慌てていたのか興奮していたのか、はたまた蔦子さん流のお仕置きなのか、蔦子さんはパクリ、と笙子ちゃんの指ごと口の中に入れてしまう。
「お姉さま!?」
 咄嗟に口を離す蔦子さん。
「あ、ごめん、笙子。痛かった? そこまでやるつもりはなかったのよ」
「痛くないです。いいえ、お姉さまになら少しくらい囓られたって痛くありません」
 真っ赤になる蔦子さん。
 水を向けたとはいえ、ここまで見せつけられるのは辛いなぁと、祐巳と可南子は軽く咳払い。
「あの、蔦子さん、そろそろ準備を」
「お返しね。笙子。はい、あーんして」
「あーん」
 聞いちゃいない。
「あの…蔦子さん? 笙子ちゃん?」
「あーん……。次はお姉さまですよ。はい、あーん」
「あーん」
 この場をどうしようとか悩む祐巳の肩を叩く可南子。
「お姉さま。こうなったらやることは一つです」
「どうするの?」
 可南子はにっこり笑って団子を手に取った。
「ハイ、お姉さま、あーん」
 
 
 遅れて姿を見せた由乃が目にしたのは、団子を食べ尽くした困った二姉妹だった。
「あのね……」
 平身低頭の四人を前に、令が苦笑していた。
「あーあ、せっかく由乃のために作ったのに。まあでも、食べたのが祐巳ちゃん達なら由乃も別に…」
「瞳子のおはぎはどうなの?」
 由乃の言葉に、瞳子が自分のお重を確認する。
「おはぎは無事なようですわ。辛うじて、お月見の体裁は整いますわね」
「じゃあ、いいわ。瞳子のおはぎが食べられれば私はいいもの」
「え? 由乃?」
「…令ちゃんの団子はいつでも食べられるもの」
「…それはそうなんだけど…」
 複雑な心境の令。
 一方、団子食べ尽くしの顛末を聞いた祥子は肩を振るわせていた。
「可南子ちゃん…祐巳…」
「は、はい」
「お姉さま…」
 二人を手招いた祥子は、瞳子の重箱の一つとお箸を差し出す。
「二人だけなんて許さなくてよ! 私にも、あーんして!」
 きょとんと顔を見合わせ、ついで笑い出す二人。
「はい、祥子さま」
「勿論です、お姉さま」
 
 
 おはぎでお月見。
「おはぎでお月見をする地方もあるのね…」
「お団子は令さまがお作りになると聞いていたので、変わり種を持ってこようと思いましたの。でも、残念ですわ、令さまのお団子が食べられなかったなんて」
「お団子ぐらいはいつでも作ってあげるよ。瞳子ちゃんが食べたい時に」
 黄薔薇姉妹から少し離れて白薔薇姉妹。
「時期がずれたとはいえ、秋の月はきれいね」
「志摩子さん、月にはウサギが居るって言うよね」
「お餅をついているのよね」
「お餅をつくんだから一羽じゃないよね」
「ええ。仲良く二羽いるのよ」
「…それって、ふわふわの巻き毛のウサギと…」
「勿論、おかっぱの黒髪のウサギよ」
「志摩子さん…」
「乃梨子…」
 そして紅薔薇姉妹は……
「あーん」
「あーん」
「あの…私これ以上は…あの……」
 甘い物なら底なしの祐巳と、負けず嫌いがこんな所にまで発揮されている祥子に挟まれて、可南子はギブアップ寸前だった。
 
 煌々とした月に照らされて宴もたけなわの頃、蔦子はカメラを手にして皆に声をかける。
 既に選んである場所、決めてある構図。
 皆を並べて、細かく修正して。
 そして今回ばかりは特別に、三脚を立ててセルフタイマーで写真を撮る。
 月をバックに、総勢十人の記念写真。
 月夜にとけ込むリリアンの制服、ぽっかり浮かんだお月様。 十人の顔は、まるで月見団子のようにきれいに揃っていた。
 
 
 
 
あとがき
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