SS置き場トップに戻る
 
 
食事
 
 
「食事の時間だよ」
 クロノは食事のトレーを差し出した。
「おー。ご飯ご飯」
 嬉しそうにトレーを受け取るアルフ。
「あ」
 トレーの中を見たアルフが立ち止まり、じっとクロノを見る。
「どうした?」
「…いや、ちゃんとしたもの食べさせてくれるんだな、と思って」
「当たり前だ。一体どんなことを考えていたんだ」
「別に。一応犯罪者としてとっ捕まってるわけだし」
「基本的には僕たちと同じ物だ。足りないのなら、増やそうか?」
「いや、これでいいよ。さすがにそこまで贅沢は言わない」
「どうして、貴方が?」
 黙っていたフェイトが口を開いた。
「なにが?」
「貴方は、食事を上げ下げするような地位の人ではないでしょう?」
「ああ、そういうことか。理由は簡単だよ」
 指を一本立てて、クロノは言った。
「万が一君たちが悪さを始めたら、止められるのが僕ぐらいしかいないから」
「まだ警戒されているのね」
「規則に則っているだけだ。僕個人としては、こんな警戒の必要はないと思っている」
「そう」
「それからもう一つ。落ち着いた頃でいいから、君たちの話を聞きたい。それだけだ」
「あ、ちょっと待った」
 戻ろうとしたクロノを引き留めるアルフ。
「良かったら、ご飯はボウルに入れてくれないかな」
「ボウル?」
「アタシは、獣化した方がご飯を食べやすいし、楽だから」
「それくらいならいいよ。次からはそうしよう。厨房に言っておくよ」
 
 
「クロノ君……」
「なんだい、エイミィ」
「艦内に変な噂が…」
「変な噂?」
「例の二人なんだけど…」
「フェイトさんとアルフさんがどうかした?」
「……ボウルでご飯食べさせてるって」
「そうだけど? それが何か?」
「ヒドいよ、クロノ君!」
「え? どうして?」
「フェイトちゃん、可哀相!」
「ちょっ……違うッ!!」
 
 
 
あとがき
 
 
 
 
 
SS置き場トップに戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送