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替え歌
 
 
 
 
「機動六課のアニメ?」
 そう言ってから、なのはは盛大に首を傾げる。
 確かに、最近とみに降下した管理局のイメージ回復のためには思い切ったも必要かも知れない。そのために協力を頼むかもしれないとは言われていた。
 協力に否はない。それにしても、だ。
 なんで、アニメなんだろう。しかも、六課だけ。
「管理局のイメージアップはお子様相手から、ということやね」
 なのはの疑問にはやてが答える。
「お子様に人気が出れば、お父さんお母さんにも自ずから。そういうことやね」
「でも、はやてちゃん、六課のアニメって」
「うん。今の管理局では六課が一番イメージええんよ? ゆりかご事件を阻止した英雄部隊。所属するのは部隊長をはじめとする美女美少女揃い」
「英雄部隊……あー、なんかそういうのは聞いたことあるけれど、あんまり好きじゃない、そういうの」
「しゃーないよ。ごろつき扱いよりはナンボかマシやよ?」
「それに、所属するのは執務官をはじめとする美女揃いって……」
「なんかちゃっかり微妙に言葉変わってる!? しかも、自分のことやなくて、フェイトちゃん褒め!?」
「フェイトちゃんは美人なの」
「うん。それは認めるところやけどな」
 とにかく、とはやては続けた。
「六課の活躍をフィクションとはいえ、事実を元に脚色した形でかっこよくお茶の間の皆さんにお届けや。私らの世界で言うたら、アンタッチャブルやプロジェクトX、水曜スペシャル矢○純一UFO特番みたいなもんやね」
「はやてちゃん、完全なフィクションが混ざってるよ」
「ウィークエンダーの事件再現フィルムとか」
「わかんない。それわかんないよ、はやてちゃん」
 そこでや、とはやてはテンションを上げる。混乱し始めたなのはは無視である。
「どうせなら、文字通り六課の星、スターズ隊長のなのはちゃんの管理外世界時代の物語から始めようやないかと、アイデアが出てるんや」
「管理外世界時代って、もしかしてPT事件や闇の書事件のこと?」
「そや。あっと、もちろん脚色はするし、肝心なところはきちんと隠すで? 極秘事項もあるしな」
「うーん」
「一応な、テーマソングみたいなんも作ってあんねん」
「え? まだ許可してないのに作っちゃったの?」
「テーマ言うても、替え歌や。私らの世界の有名作品の替え歌やよ」
「いいのかなぁ…」
「ここまではカスラックも来うへんよ。まあ、いずれはきっちりせなあかんやろけど。まだ試験的なものやしね。ちなみにフェイトちゃんに歌ってもらったんよ」
「道理でいないと思ったら……」
 
 ♪
 人の命は尽きるとも 不屈の心 レイジングハート
 争い絶えないミッドの中に 幸せ求めて悪を討つ
 人の魔力を加えたときに レイジング〜 ハート!  レイジング〜 ハート!
 お前こそ未来もたらす
 ♪
 
「……なにこれ」
「主題歌やよ」
 なのはは心からフェイトの不幸を悲しんだ。
「なんかおかしいよね?」
「何が?」
「レイジングハートが主人公なの?」
 なのはの言葉に一瞬、はやては考え込む。
「ああっ!?」
「今気づいたの!?」
「うかつやった……完全に忘れてたわ、ごめん、なのはちゃん」
「忘れてたって…………」
「なーんて、嘘嘘。ちゃんと主人公の歌もあるて」
 
 ♪
 大空羽ばたく漆黒の翼〜 その名は 八神部隊長
 夜天の主が燃える 八神はやて
 リインフォースツヴァイと〜〜 ユニゾンイン
 このミッドの空は おお 誰のもの
 君のもの (君のもの) 僕のもの (僕のもの) みんなのものだ〜 
 漆黒の翼 僕らの六課部隊長 八神はやて
 ♪
 
「って、なんでマ○ンガーZなの!?」
「すぐわかるなのはちゃんが凄いよ?」
「それはいいとして、どうしてPT事件にはやてちゃんの歌がいるのかな……」
「闇の書事件と間違えたんや」
「そこまで作ってるの!?」
「ちなみに主題歌はこれやで」
 
 ♪
 ヴォルケンリッターに守られた 自分の家に住んでいる 正義の少女 八神はやて
 ミッドの平和を守るため六課の仲間に命令だ (やー!)
 烈火シグナム 空を飛べ
 鉄槌ヴィータも空を飛べ
 ザフィーラ変身 地を駆けろ
 ♪
 
「シャマルさんいないよ!?」
「尺があわんかったんや……」
「……作ったもの、全部聞かせてくれるかな?」
 
 ♪
 ライトニングはキャロロロロ キャロロロロ キャロロロローー!
 ♪
 (ブチッ)
 
「あ、途中で消さんといて」
「意味わかんないよっ!」
 
 ♪
 ミッドの海は俺の海 俺の果てしない憧れさ
 ミッドの地上は俺の地上 俺の捨て切れぬ故郷さ
 友よー明日のない「陸」と知っても
 やはり守って戦うのだ 命を捨てて俺は生きる
 ♪
 
「今のは六課ですらないね」
「うん。私も作ってからそう思った」
 
 ♪
 俺は涙を流さないダダッダー
 デバイスだからAIだから ダダッダー
 だけどわかるぜ 鉄の忠誠
 Sirと一緒に悪を討つ
 必殺パワー サンダーフォール
 悪い奴らをぶちのめす トライデントスマッシャー 嵐を呼ぶぜ
 俺はバルディッシュ バルディッシュアサルト
 ♪
 
「ほら、レイジングハートの歌もあるんやから、バルディッシュかて」
「ふーん。私のレイジングハートはマ○ンガーZで、フェイトちゃんのバルディッシュはグレートマ○ンガーなんだ……」
「え、怒るところ、そこ!?」
「いいけど。ちゃんとした主題歌が見あたらないんだけど」
「うーん。せっかく取り寄せたCDやねんけどなぁ、しっくりこうへんなぁ」
「そもそも、どういうチョイスなのいったい?」
「なんとなく検索して、フェイトちゃんが歌うんならこれやと思ったんやけど」
 ジャケットを見せられると、なぜかなのはにもそう思えてくる。
 不思議と言えば不思議。
「あ、そういえば、これ、全部歌手が同じだよ」
「ほんまや。替え歌に夢中になって気付かんかったわ」
「みずき・いちろう……だって」
「みずき……」
「みずき……」
 なんだろう。何故だかフェイトちゃんにはピッタリな気がして。
 はやてとなのはは、顔を見合わせてやっぱり首を傾げるのだった。
 
 
 
あとがき
 
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